モカ*ライフ〜ジャックラッセルテリア〜

ジャックラッセルテリアのモカと過ごした日々

グッとくる一文アリ

最近読んだ6作品の感想をずどど~んと。



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【八日目の蝉】 角田 光代 著
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか・・・。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中央公論文芸賞受賞作。


ちょっと前にNHKでドラマ化され、今月末には映画が公開される話題作。



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珍しく、図書館ではなく職場の同僚から貸してもらった。ウキキイメージ 3 

話題になるだけあって、さすがのストーリー、どんどん内容にハマり、あっという間に読了! 

不倫していた相手の子どもを誘拐して逃亡する・・・決してふたりに明るい未来は待っていないなというのはわかっていたけれど、それほど重くなったり暗くなったりすることなく読めた。展開もよかった。 

あらすじを読んだ時点で、あー、きっとボロボロ泣くんやろうなと思っていたけれど、思ったほど泣かなかった。

 ただ、とある一文にだけはすっごくやられてしまって、そこだけ一瞬にしてボロボロ泣いた。

 いつの日かまた読んでみたくなる作品だなと思った。



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 【スイッチを押すとき】 山田 悠介 著
青少年自殺抑制プロジェクトセンターで、監視員として勤務する南洋平。ここでは、4人の少年少女に、自らの命を絶つ【赤いスイッチ】を持たせ、実験をしていた。極限状態で軟禁され、孤独に耐えられずに次々と命を絶つはずが、この4人は、"7年もスイッチを押さない"という異例の子供だったのだ。彼らが生きたいと願うその理由を聞き、南たちは脱出を図るが、そこには非情な運命が待ちうけており―


山田さんの作品は、『リアル鬼ごっこ』だけ読んだことがあるので、この作品で2つめ。

『リアル鬼ごっこ』は、かなりしんどかったなぁ~。

なんせ日本で1番多い名字である"佐藤さん"の数を減らすために、佐藤さん標的の鬼ごっこをして、捕まえて殺していくんだもの(T-T) 

しかし山田さんの作品は発想がどれもすごくて、読んでみたいなと思わせる。

この作品も、青少年の自殺を抑制するために、どういう状態になれば子供たちが自ら死を選ぶのかを実験するというプロジェクトが始動している世界なのだ。 

 これまたボロボロ泣くのかなと思っていたけれど、泣かなかった。 

なんせひとクセもふたクセもある山田作品、私も悪いクセが出て、次の次の展開まで考えてしまい、オチばかり気にしてしまったせいだ。悲しい物語やったな。



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【小暮写眞館】 宮部 みゆき 著
もう会えないなんて言うなよ。あなたは思い出す。どれだけ小説を求めていたか。ようこそ、小暮写眞館へ。3年ぶり現代エンターテインメント。
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ハードカバーやから、本の帯の文章を書いたもんで、あらすじが短い。図書館で本を受けとって、重っ!



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うわぁ~、こりゃあ読み応えがあるなぁ~、返却期限までに読めるかちら?と不安やったけど、なんとか読めた。

第1話 小暮写眞館世の中にはいろいろな人がいるから、いろいろな出来事も起こる。なかには不思議なこともある。第2話 世界の縁側人は語りたがる。秘密を。重荷を。第3話 カモメの名前「電車は人間を乗せるものだ。鉄道は人間と人間を繋ぐものだ。だから鉄道を愛する者は、けっして人間を憎めない」第4話 鉄路の春僕はこの人を守らなくちゃいけない。




という、小暮写眞館に引っ越してきた家族の4話からなるストーリー。 

宮部さんはすごく好きな作家さんで、何作品も読んでるんだけど、この作品はあまり好きな系統ではなかったな。

どんなに好きな作家さんでも、そういうジャンルってあるのよね。 

1話目読んで、うーむと唸って、そのまま4話目まで唸りっぱなしだった。

きっとどの登場人物にも感情移入ができなかったせいだ。そうだそうだ。

 普段ならこれだけの分厚い本を読み終わったら、満足感に包まれるのだが、疲労感でいっぱいだった。ごめんなさい。まあそんな時もあるさ~。



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 【日本人の知らない日本語2】 蛇蔵&海野 凪子 著



2月に読んだマンガの続編。本作もサクサク読めた。 

私も耳にするたび気になってた"さ入れ言葉"について書いてあった。 

"さ入れ言葉"とは、必要ではないのに「さ」を入れてしまう現象のこと。 

よくあるのは「歌わ[さ]せていただきます」「帰ら[さ]せていただきます」などなど。 

その言い方おかしいんじゃない?って気になるけれど、耳にする機会が多いからつられて使ってることが多いのよね~私。

いかんいかん、気をつけようっと。 

でも今は認められてなくとも、いずれ正式な動詞の形として教科書に載る日が来るのでしょうか・・・って書いてあった。

"ら抜き言葉"も以前は間違ってるとされていたけれど、今は根拠ある変化としてとらえられているようなんだって。ほんと、日本語って難しいねぇ~。



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 【ハナミズキ】 吉田 紀子 著
北海道の港町で母と二人で暮らす紗枝。家の庭には、亡き父がある願いを込めて植えたハナミズキが育っていた。自身の夢のため東京の大学に進んだ紗枝と、故郷に残り漁師になった恋人の康平。互いを思いながらも二人は少しずつすれ違っていく。それから十年。故郷のハナミズキが咲く頃、離れ離れだった二人に奇跡が訪れる・・・。珠玉の恋愛小説。


珠玉の恋愛小説と紹介されてて、ほんまに珠玉やったのんってあるんやろか?

 『涙そうそう』と同じ吉田紀子さんなので、ある程度の心構えはできていたが・・・。

 なんせ10年間を描くので、展開が速い速い!ついていかれへ~ん! 

ふたりの気持ちがどういう風に育まれていったのかとか、そういうのんじっくり読みたかったな。 

やはり映画ありきの小説は、ちょっときついかもと思ったわ。

 ハナミズキは桜が散った後、これからがシーズンの花!ハナミズキを見るたびに、このストーリーを・・・思い出せへん出せへん(^^ゞ



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 【純平、考え直せ】 奥田 英朗 著
坂本純平、21歳。新宿・歌舞伎町のチンピラにして人気者。心酔する気風のいい兄貴分の命令は何でも聞くし、しゃべり方の真似もする。女は苦手だが、困っている人はほうっておけない。そんな純平が組長から受けた指令、それは鉄砲玉(暗殺)。決行までの三日間、純平は自由時間を与えられ、羽を伸ばし、様々な人びとと出会う。その間、ふらちなことに、ネット掲示版では純平ネタで盛り上がる連中が…。約一年半ぶりの滑稽で哀しい最新作。


サクサク読めた。タイトル通り、焦点は純平が考え直すのか?考え直さないのか?だけ。 

なんか映像化されそうなニオイがプンプンする作品だな。

きっとされるな。旬な若い俳優さんがするんだろうな。